白羽さんの音ゲー議論場

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藍の空 制作後記

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BMS イベント「MUMEI Academy 2022」にて公開した作品

「藍の空」の制作後記です。

 

全体を通して

今年も制作に半年をかけてしまいました。

というのも、去年の LychniS -Flannel- が予想以上の好評だったため、今年も Class B での参戦を考えていた自分にとってそれを超えることは一つの命題であり、僕が制作中ずっと不安を感じていた要素でした。

じゃあ Class C に行けよって話なんですが。

 

ゆえに、半年に勝つには半年かけるしかないって思ったんですよね。

安直な考えですねぇ……

 

ところが結果としては、実は半年の間に僕の曲の作り方もだんだんと変化していって、制作開始時の作り方が合わなくて自滅するという無残なことになっています。

実際 3 月下旬に一回全譜面作るところまで進めて、全部消して曲を直すという暴挙に出ることになったのは、明らかに制作期間の取りすぎでした。そういう意味では勉強になりました。

 

あと、去年 Class B だった人々で今年出てる人がほとんど Class C に行っていたのも個人的には衝撃的でした。

来年からは何があろうとも Class C で出ます。Class B で出ようとしてるのを見かけたら絞め殺してやってください。

 

曲について

「藍の空」の曲の部分についてです。

 

いくつか秘話というか、実は……というのがあります。

 

  1. 最初は BPM 196 だった。尺が足りないのでピアノクラスターのところとか切り詰めたりしてみたけど無駄だったので泣く泣く上げた
    • 元々はピアノのクラスターの後 4 小節くらい無音でした、ロング尺にする機会があれば復活させます
  2. サビの前半の 4 つ打ち地帯は最後の書き直し(5/20)の時に初めて追加した(これのためにBPM上げた)
  3. 終盤に過去曲のメロディが鳴ってるところがある
    • 4 曲入ってます
    • ネタバレ : γ-Arietis / Ether:0 / L.L.F.T. / LychniS -Flannel-

 

ということで秘話はこのくらいにしておいて曲のテーマとかを語ろうと思います。

 

テーマは「輪廻」としていますが、これは物語が生まれては終わってゆく様子を例えた言葉になっています。過去曲でいう「Ether:0 -Revolver-」「LychniS -Flannel-」といった曲は「物語」に値していて、この曲はそれを外側から見ている、という視点の曲です。

 

もちろんまだまだ語り足りない部分もあります。一個の曲で一つの物語である場合もあれば、そうでない場合ももちろんありますし。*1

なのでこの曲が出たからといって過去曲の続編がもう出ませんということはないです。というか今作ってる曲は過去曲と繋がってない曲のほうが少ないです。

 

あくまで、旧無名戦クラスで出るのは最後、と宣言しているので、そういう意味でも節目として超越的な視点の曲を用意した。ただそれだけのことです。

 

そういえば、この曲と時系列上で近い曲に「L.L.F.T.」という曲があります。

L.L.F.T. は輪廻の、つまり物語の当事者から見た物語の終わりと、次の物語の始まり。

藍の空は、それを見守り続ける少女の抒情詩です。

 

どうして彼女が物語の外側を旅しているのか。

そもそも、彼女は何者なのか。BGI を眺めつつ曲を聴いていただければ何かがわかるかもしれません。

 

物語はいつか終わるけれど、それでも彼らは必死に物語を生きている。

それが、美しいんだ。

 

譜面について

最初にあとぅす先生に「皿が速い」って言われたときにこんなことを思いました。

ボルテっていう音ゲーがBPM240とか平然と超えてくるのが悪いんですよね

 

今回は譜面にも大きなテーマがN,HとA,Iでそれぞれひとつあります。

 

NORMAL / HYPER

テーマは「分散」「密集」です。

 

具体的には、両手にノートを分散させたり、片手にノートを偏らせたりという手法でメリハリをつけよう、という気持ちです。

 

僕は NORMAL / HYPER あたりまでは過去作でもだいたい自分で譜面を作っているのですが、昔は癖譜面が嫌いだったのもあってかなり押しやすい配置をしていると思います。

今回はそれを破っていこう、という気持ちの譜面になっています。ちょうど皿地帯もあるので前半結構寄った配置になりつつもサビでは楽しく捌ける……って構成になってるはずです。そうだと言ってくれ。

 

感想ですが、NORMAL で片手に偏らせるのってかなりつらいですね。(おい)

正直☆5にするか最後まで悩んでました。それどころかファイル上ではいったん☆5にしていました。何を血迷ったか、最後に☆4にすると決意した後に修正を忘れました。

 

ANOTHER / INSANE

テーマは、ずばり「微縦連」です。

まぁこれはそこら中に露骨に置かれてるので N,H よりもわかりやすかったと思います。

 

微縦連*2って、上手く使うと滅茶苦茶気持ちいいんですよね。ボルテだけかもしれませんが。

BMSでもそれをやりたい、と思った結果がこの譜面たちです。

 

曲も曲で微縦連を置いてください!って言わんばかりの打ち込みになってるところがいくつかあるんですが、制作初期からずっとこうしようと思ってました。そういう意味では半年間ずっと微縦連のことを考えていたわけですね。気持ち悪い

 

あとは今回も安心と信頼の Bass Drop がありますが、皿にアサインされてる Wobble Bass の割合が割と大きいと思います。

BPM203 なのに 16 分皿がたくさんあるので気になる人もいそうだなと思っていました。

 

これに関してですが、過去に Ether:0 (BOFXVI) で ANOTHER にかなりの尖り譜面を置いていろいろ言われた経験があって、今回あえて ANOTHER や INSANE で尖った要素を入れたのはリベンジというか「このくらい尖らせても自然になるような BMS のデザイニングが出来るようになったんだぜ」っていう気持ちの表れだったりします。

 

でも自信はないです。

 

BGI について

最初、これの仮段階の絵とふざけきったラフが飛んできたとき、自分の目を疑いました。

その時、実は曲のテーマとか全部伝えそびれていたんですよね。最悪だな。

 

にもかかわらず、何を感じ取って頂いたのかはわかりませんが、まず右上に Ether:0 の歯車。赤いリボンは明らかに LychniS -Flannel- 譲りですし、言ってないテーマが伝わっていることに驚きを感じました。どう考えても超能力者です。

 

あと、これは僕のきわめて個人的な嗜好ですが、オッドアイオッドアイはいいぞ。

 

最後に

纏まりきらない印象が凄いですが、書くことがなくなりました。

ということで、藍の空をよろしくお願いいたします。

 

そういえば制作後記ですが、2があります。

インプレ期間終了後に公開する予定なので、よろしくお願いします。

 

*1:「物語」に値する曲は BMS 作品になっているものだけには限らず、例えば「カノープスと幽霊少女」という曲はフリーで公開したのですが、この曲は単体では物語を完結まで描いていません。

*2:ここでは 2 個のノーツが同じレーンに降ってくることを指します